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2021.03.25 研究

DNA密生金ナノ粒子を用いた分子検出 ~環境中に存在するホルモン分子の簡易検出などへの応用へ~

 愛媛大学大学院理工学研究科の座古保教授らの研究グループは、理化学研究所、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(スイス)との国際共同研究により、表面にDNAを密生させた金ナノ粒子を用いた分子検出手法を開発しました。
 金ナノ粒子がターゲット分子依存的に示す凝集を、溶液色変化や暗視野顕微鏡下での輝点色変化などで評価することによる分子検出が注目されています。しかしながら、ターゲット分子不在でも金ナノ粒子が凝集してしまう場合があり、分子検出が困難でした。例えば、抗生物質の1種であるカナマイシンは、金ナノ粒子の非特異的凝集を起こすことが知られています。今回、金ナノ粒子表面にDNAを密生(DNAブラシ)させることで、そのような非特異的凝集を抑制しながら分子検出する手法を開発しました。検出例として、カナマイシン存在下において、ホルモン分子の1種でもあるエストラジオールを検出することに成功しました。また、スマートフォンを用いた簡易型暗視野顕微鏡によるナノ粒子凝集評価および分子検出ができることを示しました。本研究により、環境中のホルモン分子の簡易検出への応用などが可能になることが期待されます。
 本研究成果に関する論文は、令和3年3月24日付で、英国王立化学会(RSC)の学術雑誌「RSC Advances」に掲載され、オンライン版で公開されました。

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