我々が住んでいる惑星である地球には、まだまだ我々の知らないことがたくさんあります。地学コースでは、地球の歴史、地質、化石、岩石鉱物、地球と惑星の内部、海洋環境などをキーワードに、様々な観点と手法で地球に関する研究と教育がおこなわれています。教育では、野外調査や室内実験を中心とした幅広いカリキュラムを準備していて、さまざまな側面からのアプローチによる地学を学ぶことにより、地球についての豊富な知識を得ることができます。地学コースで学んだことを武器にして、卒業後は、専門知識を活かした地質や環境のコンサルタント、技術系の公務員、地学教員などの職業についたり、大学院へ進学してさらに地球についての研究を深めることもできます。
地球の構造と発達を知る
高温高圧実験や物性測定、データ解析やコンピュータシミュレーションなど、さまざまな物理の手法を駆使した研究を行っています。 これにより、直接目に見ることのできない地球や他の惑星の内部の物質や構造、さらにその進化を解明することを目的としています。
岩石・鉱物の成因を解く
みなさんは美しい岩石・鉱物についつい見入ってしまった経験がありませんか?地球の大部分は岩石・鉱物からできていますが、いったいどのように形成したのでしょうか。私たちは天然に産する様々な岩石・鉱物の成因を解明することを目的として、野外地質調査、岩石・鉱物の化学分析、電子顕微鏡観察や高温高圧実験といった様々な手法を駆使して研究を行っています。
地球の表層環境の進化を探る
地球の表層環境の歴史的変遷を明らかにするために、野外地質調査、堆積物の解析、微化石(放散虫など)や大型化石(脊椎動物、植物、中生代海生軟体動物など)の比較記載研究・古生態および古環境解析・理論形態学的研究などをしています。
海洋循環の仕組みを明かす
海洋循環やこれに伴う物質輸送の仕組みを解明すべく、海洋観測や数値モデリングなど、様々な方法を駆使して研究に取り組んでいます。研究対象は、瀬戸内海など内湾域から、東シナ海などの陸棚域や、北太平洋などの外洋にいたるまで多岐にわたっています。
コース体系科目は、各専門分野の専門知識を体系的に学修するための科目群です。コース課題科目では、セミナーや実験、実習を通して各専門分野の基盤スキルを身につけます。
コース体系科目 | コース課題科目 |
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最新地球惑星科学 / 地質学概論 / 鉱物学概論 / 岩石学概論 / 固体地球物理学概論 / 海洋学概論 / 生態学 / 分類学 / 岩石学 / 鉱物学 / 地層学 / 固体地球物理学 / 海洋物理学Ⅰ / 分析化学Ⅰ / 力学Ⅰ / 力学Ⅱ / 進化神経学 / 情報地球科学 / 地球内部構造論 / 古生物学 / 海洋物理学Ⅱ / 応用地球科学 / 沿岸海洋学 / 地球化学 / 地球環境学特論 / 岩石鉱物学特論 / 地球物理学特論 / 熱統計力学Ⅰ | 地質野外実習Ⅰ / 地質学実験 / 岩石鉱物学実験 / 地球物理学実験 / 地質野外実習Ⅱ / 情報地球科学演習 / 地質図学演習 / 地質調査法実習 / 地質野外研究 / 沿岸海洋学研究 / 地球科学実験 / 地学課題演習 |
理学部共通基礎科目 | 理学部共通課題科目 |
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数学の基礎 / 数理情報の基礎 / 数学Ⅰ / 数学Ⅱ / 物理学Ⅰ / 物理学Ⅱ / 化学Ⅰ / 化学Ⅱ / 化学Ⅲ / 化学Ⅳ / 生物学Ⅰ / 生物学Ⅱ / 地学Ⅰ / 地学Ⅱ / 基礎物理学実験 / 基礎化学実験 / 基礎生物学実験 / 基礎地学実験 | 科学研究倫理 / 特別演習Ⅰ / 特別演習Ⅱ / 課題研究 / 特別研究Ⅰ / 特別研究Ⅱ |
理学の基礎を生かして、地球や宇宙の進化を理解する。
地球は46億年の歴史を持ち、今も活発に活動し続けています。地球の表層から深部に至る諸現象は、人間の営みとも密接な関係があります。地球とそれを取り巻く宇宙の進化を読み解き、我々の近未来・遠未来を予測することは、地球科学が果たすべき重要な役割です。
愛媛大学では、数学・物理・化学・生物の様々な基礎知識を応用して地球科学の研究がおこなわれています。「これまでの学習の成果を応用して、地球や生命のダイナミクスや進化をもっと知りたい、地球環境のさまざまな諸問題を解決する糸口を見つけたい」という意欲に溢れた人を地学コースは歓迎します。地学コースでは、高校で地学を履修していることを前提としていません。高校で学んだ数学・理科の基礎知識を生かして、地球科学分野で新たな挑戦をしてみませんか?
氏名 | 研究テーマ | 個人ページURL |
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教授 | ||
石松 直樹 (ダ) |
高圧力と放射光を用いた金属・合金・金属間化合物の構造および電子状態の研究 | |
入舩 徹男 (ダ)(特別栄誉教授) |
超高圧実験による地球深部物質の結晶構造・密度・弾性波速度変化の解明と、ヒメダイヤをはじめとした新物質の開発 | http://www.grc.ehime-u.ac.jp/archives/member/tetsuo-irifune |
郭 新宇 (沿) |
黒潮のシミュレーション,黒潮と沿岸海域の相互作用,瀬戸内海の海洋環境予測 | http://engan.cmes.ehime-u.ac.jp/xguo/xguo.htm |
亀山 真典 (ダ) |
マントル対流の数値シミュレーション; 地球内部の変動や進化過程の数値流体力学的研究 | http://earth.sci.ehime-u.ac.jp/~kameyama |
加 三千宣 (沿) |
気候変動や人為的環境攪乱による海洋・湖沼生態系変動に関する古海洋・古陸水学的研究 | http://www.cmes.ehime-u.ac.jp/organization.html |
土屋 旬 (ダ) |
地球内部における揮発性元素の存在状態とその影響についての計算機シミュレーション | http://earth.sci.ehime-u.ac.jp/~junt/ |
土屋 卓久 (ダ) |
鉱物物性の理論と計算機シミュレーション,それに基づく地球・惑星内部構造のモデリング | http://earth.sci.ehime-u.ac.jp/~takut/ |
鍔本 武久 | 新生代における陸棲哺乳類の進化・古生物地理・古生態の研究,および,脊椎動物化石の発掘・記載・古生物学的研究 | http://earth.sci.ehime-u.ac.jp/~tsubamoto/ |
西原 遊 (ダ) |
地球深部物質についての流動特性などの輸送特性に関する実験的研究 | http://earth.sci.ehime-u.ac.jp/~yunishi/ |
堀 利栄 | 地質学・古生物学的手法を用いた深海堆積物の解析と古環境復元 | https://sites.google.com/site/rieshorilabweb/ |
森本 昭彦 (沿) |
現場観測と数値シミュレーションによる沿岸域の物質循環に関する研究 | |
准教授 | ||
大内 智博 (ダ) |
高圧下における岩石の流動強度や破壊強度,及び岩石組織発達の素過程に関する研究 | http://earth.sci.ehime-u.ac.jp/~ohuchi/ohuchi.htm |
岡本 隆 | 軟体動物化石の進化・古生態学的研究,特に白亜紀を通じてのアンモナイト類の殻形態および形態形成に関する理論形態学的研究 | http://earth.sci.ehime-u.ac.jp/~okamoto/ |
楠橋 直 | 中生代における哺乳類の初期進化に関する古脊椎動物学研究,および野外調査に基づく岩相層序学・堆積地質学的研究 | http://earth.sci.ehime-u.ac.jp/~nkusu/ |
齊藤 哲 | 岩石学、特に花崗岩の成因論と島弧・大陸地殻の進化に関する研究 | |
境 毅 (ダ) |
ダイヤモンドアンビルセルを用いた地球惑星内部構成物質の状態方程式の研究 | |
講師 | ||
延寿 里美 | 熱水変質により形成される鉱物に関する研究, 初期太陽系における物質形成と進化 | |
出倉 春彦 (ダ) |
物性理論・計算物理学的手法による地球惑星深部物質の電子構造,動的性質,輸送特性の研究 | |
グレオ スティ―ブ ジョルジュ (ダ) |
岩石・鉱物の熱弾性特性と地球惑星内部の研究 | http://grc.ehime-u.ac.jp/archives/member/steeve-greaux |
桑原 秀治 (ダ) |
高圧実験による惑星分化過程の解明,および惑星表層環境に核,マントルが与える影響の解明 | https://sites.google.com/view/hideharu-kuwahara |
白勢 洋平 | 微細組織観察によるペグマタイトの鉱物学的研究と、稀産鉱物の記載鉱物学的研究 | |
助教 | ||
井上 紗綾子 (ダ) |
高分解能透過電子顕微鏡法によるナノ鉱物の生成・変化機構の研究 | |
牛島 悠介 (沿) |
海洋境界層乱流、気候変動、大気海洋相互作用 |
(ダ)・・・地球深部ダイナミクス研究センター専任教員
(沿)・・・沿岸環境科学研究センター専任教員