令和6年8月25日~30日に福岡市で開催されたthe 21st International Symposium on Toxicity Assessment(第21回毒性評価国際シンポジウム(ISTA21))において、CMES化学汚染・毒性解析部門環境毒性学研究室(岩田久人教授)のIslem Boukaraさん(大学院理工学研究科博士後期課程1年)が、優れた発表をした学生に授与される「The Dr. Doris Au Student Excellence Award」を受賞しました。
本シンポジウムでは、様々な環境因子(環境汚染物質やマイクロプラスチックの汚染や気候変動)が生物に及ぼす毒性影響について、遺伝子・細胞レベルから個体・個体群レベルで評価することに焦点を当て、最新の成果を世界各国の研究者が発表しました。Islemさんは、「Assessment of the effects of short-, medium-, and long-chain chlorinated paraffins on the differentiation of human iPS cells to definitive endoderm」と題したポスター発表を行いました。Islemさんの研究では、難燃剤やプラスチックの可塑剤として、世界中で使用が増大している塩素化パラフィンが、ヒトのiPS細胞から胚体内胚葉への分化に及ぼす影響を明らかにしました。
Islemさんの発表は、大会を主催した実行委員らによる審査を経て、毒性試験への適用性、科学的意義、社会への波及効果などが評価されて、今回の受賞に至りました。