愛媛大学大学院理工学研究科の座古保教授、武藤悠博士(同研究科博士後期課程修了、東ソー株式会社)、平尾元さん(同研究科博士前期課程修了)らの研究論文が、日本分析化学会Analytical Sciences誌2024年6月号のHot Article Awardを受賞しました。この賞は、編集委員会により注目された論文に贈られるものです。
近年、暗視野顕微鏡(DFM)を用いた、金ナノ粒子の単一分子イメージングによる高感度デジタルイムノアッセイ(DIA)が報告されています。しかし、これまでの手法では2つの抗体で対象分子を挟み込んで認識するサンドイッチ法が用いられており、低分子の検出は困難でした。そこで本研究では、DIAにおける低分子検出の実現を目指し、ホルモン分子の1種であるエストラジオール分子をターゲットとし、抗低分子抗体と低分子の免疫複合体を特異的に認識する抗イムノコンプレックス抗体を用いたDIA法を開発しました。これにより、DIAを用いた高感度分子検出の可能性がさらに広がりました。
本論文は、東ソー株式会社との共同研究によるものであり、また先端ナノバイオ分析研究ユニット(愛媛大学リサーチユニット)に関連する研究成果です。
掲載誌 : Analytical Sciences, 40, 975-979 (2024)
DOI : 10.1007/s44211-024-00518-6
題名 : Detection of estradiol with a digital immunoassay using an anti-immunocomplex antibody and single-molecule observation of gold nanoparticles
著者 : Yu Muto1, Gen Hirao1 and Tamotsu Zako* (1 equal contribution)