大学院理工学研究科の内藤俊雄教授を代表とする研究グループは、ある物質の温度を変えることで、その中の一部の電子が光子のように非常に速い速度で動き回る、特殊な電子に変化したり戻ったりする様子の観測に成功しました。
こうした特殊な電子は他の物質でも見つかっていましたが、特殊な環境下であったため、物質中でどのようにして生じるかその経過を観測した例はありませんでした。
この特殊な電子は高速の演算処理が可能なコンピューターにつながるだけでなく、消費電力が大変少ないという特徴も期待されます。つまり情報通信・処理機器の部品となる半導体デバイスへ応用された場合、より複雑な演算処理を低消費電力で高速に行えるようになる可能性があります。
この研究成果は、学術雑誌「Magnetochemistry」(マグネトケミストリー)に注目論文(Feature Article)として6月9日から公開されています。