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2022.05.31 研究

大学院理工学研究科の寺町香穂さんが中国四国植物学会第78回大会(島根)で「優秀発表賞(口頭発表部門)」を受賞しました。【5月22日(日)】

 令和4年5月21日(土)~22日(日)にオンラインで開催された「中国四国植物学会第78回大会(島根)」において、大学院理工学研究科環境機能科学専攻 博士前期課程1年の寺町香穂さんが「優秀発表賞(口頭発表部門)」を受賞しました。受賞した講演題目は「ウツボカズラの捕虫器の起き上がり反応 ― オーキシン輸送阻害剤の効果 ―」で、大学院理工学研究科の金田剛史助教の指導のもと取り組んだ研究の成果によるものです。

 本研究は、食虫植物の一種のウツボカズラの捕虫器が、捕獲した獲物の虫を消化するために内部に分泌した消化液をこぼさないように起き上がって形成されることに着目して、この捕虫器の起き上がりに対するオーキシン輸送阻害剤の効果を検討したものです。この研究では、ウツボカズラの捕虫器の起き上がりが重力に応答した現象であることを明らかにし、その過程に植物ホルモンの一種であるオーキシンの輸送が関わっていることを示唆しました。これらの成果は、貧栄養地に適応して虫を捕獲し、消化・吸収することで養分を補うという独特の進化をとげてきた食虫植物の捕虫器に関して、ほとんど明らかにされていないその形態形成の仕組みの解明に向けた糸口となるものです。

 本賞は、中国四国植物学会において、主として本人が行った研究成果について口頭またはポスター発表を行った学会員である学生あるいは若手研究者(概ね40歳以下の研究員や助教)の中から選出され、表彰されるものです。これらの研究内容に加えて、プレゼンテーションの技術などについても評価された結果、発表後に行われた学会会員の大会参加者全員投票により選出され、今回の受賞に至りました。

ウツボカズラの捕虫器の形成過程