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2019.10.01 研究

理学部生物学科4年生の植村洋亮さんが、2019年度日本魚類学会年会において最優秀ポスター賞を受賞しました【9月22日(日)】

 2019年9月22日に、高知県高知市で開催された2019年度日本魚類学会年会において、理学部生物学科4年生の植村洋亮さんが、最優秀ポスター賞を受賞しました。受賞した講演題目は「産卵床であるイシガイ類の減少によるタナゴ類の在来種と国内外来種との交雑」です。

 植村さんを含めた研究グループは、地域の生態系を守り、地球の生物多様性を守るために、愛媛県松山平野の河川で、二枚貝の鰓に卵を産むという興味深い生態を持つタナゴ類(コイ目コイ科)について研究を進めてきました。産卵床となるマツカサガイを調査したところ、30年前と比べて分布域が95%縮小、密度は90%低下していました。それにより、マツカサガイが産卵床として過剰に利用され、時には一つの貝個体内に100を超えるタナゴ卵が産み付けられており、これによって在来種のヤリタナゴと、国内移入種のアブラボテとの交雑が促進されていることがわかりました。これまでの一連の研究によって、ヤリタナゴとマツカサガイは、愛媛県の希少動植物に指定され本年より保護の対象となりました。しかし、この研究は、積極的な保全策を実施しなければ早晩マツカサガイが絶滅し、連鎖的にヤリタナゴの絶滅を招くことを示しており、官民学の共働が必要で、本学の積極的な取組が求められています。