教室だより

教室だより

2021年12月更新(2017年7月27日登録)


数学教室

物理学教室

化学教室

生物学教室

地球科学教室


数学教室

  皆様におかれましては,ご健勝のことと存じます。前回の近況報告から数学教室では様々な変化がありました。教員人事では,令和元年7月に猪奥倫左准教授が東北大学へ,令和元年8月に大下達也助教が慶應義塾大学へ,令和2年9月に内藤雄基教授が広島大学へそれぞれ転出され,平成31年4月に幾何学(幾何学的群論、位相幾何学)がご専門の加藤本子先生が助教として着任されました。また,令和2年10月に尾國新一先生,山内貴光先生,山崎義徳先生がそれぞれ教授に昇任しました。さらに,平出耕一准教授が本年度末日をもちまして定年退職されます。平出先生には30年の永きに渡り理学部数学教室の運営と発展にご尽力を賜りました。心から感謝致します。
 学生に関しましては,従来通り中学・高校教員を目指す学部生・大学院生が多く,毎年15名前後が新たに教壇に立っています。民間企業や自治体への就職につきましても,おおむね順調な状況が続いています。
 平成31年4月に理学部が改組され,理学部数学科は理学部理学科数学・数理情報コースとなりました。この改組は,刻々と変化する社会のニーズに対応し様々な場で活躍できる理工系人材の育成を目指したもので,情報化社会を支える先進分野が新たに加わりました。本コースの新しいカリキュラムでは,従来の純粋数学分野,応用数学分野に加えて,新な数理情報(データサイエンス)分野の教育が始まりました。また,令和2年4月に愛媛大学データサイエンスセンター(CDSE)が設立されました。数学・数理情報コースの平野幹教授がデータサイエンスセンター長に任命され,数学・数理情報コースの教員全員がセンターの構成員になりました。さらに,本大学は数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムの協力校として選定されました。これからは,データサイエンスの研究及び全学のデータサイエンス教育へも協力して参ります。
今年は,新型コロナウイルスによって数学・数理情報コースの研究・教育も大きな影響を受けました。国内外の様々な研究集会が中止,もしくは遠隔会議形式での開催になりました。また,出張も完全に出来なくなり,共同研究も実施しづらい状況が続いています。本コースの教育も,ほぼ遠隔授業形式で行われました。当初は多くの教員が遠隔講義に殆ど経験がない状態でしたが,情報を共有しながら授業開発に取り組んでいます。新型コロナウイルス感染の終息の見通しが付かない現状において,遠隔授業のレベルをさらに上げることは来年度の大きな課題になります。
様々なことが制限されている状況ではありますが,数学・数理情報の能力を身につけ,社会の期待に応えられる学生を送り出していきたいと考えています。卒業生の皆様におかれましては,一層のご支援・ご協力を頂戴できれば幸いです。なお,数学教室の近況は,公式サイトhttp://www.math.sci.ehime-u.ac.jp/index.html でもご覧いただけます。
 末筆ながら,皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。

 (シャクマトフ ディミトリ 記)

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物理学教室

 同窓会の皆様には各分野でご活躍のことと存じます。物理学コースの近況についてご報告いたします。理学部が一学科体制になり、もうすぐ2年になろうとしております。「物理学教室」なる名称を使う教員もいなくなり、教員や学生にも「物理学コース」という名称が浸透したように感じます。
 前回の同窓会報から教員異動がありました。実験物理学分野の栗栖牧生(熱電物理学)と神森達雄(磁性物理学)の2名の先生方が定年を迎え、ご退職されました。現時点では、理論物理学分野として宗博人(素粒子論)、渕崎員弘(非平衡統計基礎論)、中村正明(物性理論・統計基礎論)、飯塚剛(非線形物理学)、宮田竜彦(統計力学・溶液論)、実験物理学分野として前原常弘(プラズマ理工学)、小西健介(磁性・低温物理学)、近藤久雄(光物性物理学)、天文学分野として粟木久光・寺島雄一・志達めぐみ(X線天文学)、長尾透・鍛冶澤賢・松岡良樹(光赤外線天文学)、清水徹(太陽系プラズマ物理学)、近藤光志(超高層物理学)が在籍し、教育研究活動を行っております。活動内容に関しては理学部で正式採用しております、researchmap (https://researchmap.jp/researchers)からたどっていただければお分かりになられるかと思います。まことに残念ながら、2名分のポストは埋められませんでした。事務組織も縮小され、石田ちひろさんが物理学コースと地球科学コースの2コースの教室事務を担当されています。
 さて、2020年は新型コロナ感染防止対策に翻弄された1年でした。2020年度前期は本学BCPステージの引き上げに伴い、教職員は基本的に在宅勤務となりました。学生は在宅での授業受講でしたが、夏にステージ引下げとともに、演習、実験や実習を伴う授業は対面となりました。この間、多くの教員は遠隔授業体制の構築等、慣れない作業に戸惑いを覚えました。8月に行われた9月卒業・修了の卒論・修論発表会も初めて遠隔で行われました。2021年2月に予定されている発表会も同様です。
 運営に携わる一部の教員は教育業務に加え、BCPステージの変更に伴う様々なガイドラインの設定、入試などの対応等で時間に追われ続けました。コロナ禍の危機的状況が、まだ収束の兆しすら見えず、学生ともども不安を抱えているというのが正直なところではないかと思われます。
 こうした状況下、卒業生の皆様におかれましても,一層のご支援・ご協力を賜れば幸いです。末筆ながら,皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。

 (渕崎 記)

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化学教室

 2019年度の理学部改組により,化学科は理学科化学コースとなりました。学修カリキュラムも2019年度入学生から一新され,現在は旧カリキュラムと新カリキュラムが並走しています。
そのようなあわただしい中,今回の新型コロナウイルスの影響を受け,2020年2月末以降,学位授与式・卒業式・入学式等を含めた行事が入試を除きすべて中止となり,卒業証書や記念品の手渡しすらもできない記憶に残る悲しい年となってしまいました。修士論文審査会と卒業論文発表会,化学科謝恩パーティーを直前の2月中旬にかろうじて実施できたのがせめてもの救いでした。海外渡航禁止・帰国の指示により,海外留学中だった化学科の数名の学生やベルギーで海外研修中だった森重樹特任講師は,期間途中・志半ばで帰国し,空港到着後2週間の行動制限も受けました。2020年度第1クォーターは学生・院生の研究活動や対面授業が禁止され,一時は教職員も在宅勤務を余儀なくされました。第2クォーター以降,4年生や大学院生の研究活動は認められたものの,学生実験以外の授業は遠隔のみという,学生・教員の両方にとって困難な状況が続く中,皆の努力と協力,周囲のご理解のもとで,教育研究に取り組んでいます。
化学科から化学コースに組織名称は変わりましたが,構成員は2年前とほとんど変わりありません。最近の変化をご紹介すると,2019年度よりCMESの特定教員の田上瑠美助教が,新たに化学コースの教育を担当することになりました。一方で,2021年3月をもって,長岡伸一教授が定年退職を迎えます。
2020年度現在の研究室と教員の構成は次の通りです。①固体物性化学・反応化学系:〔固体物理化学〕内藤俊雄・山本貴,〔構造化学〕長岡伸一・小原敬士・垣内拓大,〔無機化学〕高橋亮治・佐藤文哉,〔複合体化学〕佐藤久子,②分析化学・生物化学系:〔分析化学〕座古保・島崎洋次,〔生物化学(プロテオサイエンスセンター)〕杉浦美羽・小川敦司,〔環境化学(沿岸環境科学研究センター)〕国末達也・野見山桂・田上瑠美,③有機合成・物質科学系:〔有機化学〕宇野英満(理事)・奥島鉄雄・高瀬雅祥,〔有機化学(学術支援センター)〕谷弘幸・倉本誠・森重樹。以上,21名の教員で,理学部化学コース・大学院理工学研究科分子科学コースの教育研究を行っています。
厳しい社会状況ではございますが,引き続き卒業生・同窓会の皆様からのご助言・ご支援をお願いいたします。

(小原 記)

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生物学教室

 皆様におかれましてはお元気でご活躍のことと存じます。
前回の同窓会報(平成31年2月)以降の生物学教室の近況をお知らせいたします。平成31年(2019年)4月より,理学部は改組いたしました。それまでの5学科体制から1学科体制となり,生物学科は理学部・理学科の生物学コースとして改組後の教育体制に組み込まれることになりました。生物学教室の人事においては,村上安則准教授が令和元年10月より,佐藤康准教授が令和2年10月より,教授に昇任されました。一方で,加納正道教授と和多田正義教授が平成31年3月に,また,翌令和2年3月には,大森浩二教授が定年退職を迎えられました。大森先生は,平成28年度より新設の社会共創学部に異動されましたが,大学院ではそれまでどおり理工学研究科・生物環境科学コースの教育を担当されており,異動後も引き続き生物学教室での教育にご協力いただいておりました。長らく生物学教室での教育と研究に貢献されてきた3名の先生に心より感謝いたします。
 改組により教育カリキュラム体系は変わりましたが,生物学教室では,これまでどおり,「形態形成」,「生理・適応」,および「生態・環境」の3つの分野を柱として教育と研究を推進しております。形態形成領域では佐藤康(植物形態学),金田剛史(植物形態学),高田裕美(発生学),村上安則(進化形態学)および福井眞生子(進化形態学)の5名,生理・適応領域では井上雅裕(植物生理学),佐久間洋(植物生理学),北村真一(魚類感染症学)および仲山慶(環境生体応答学)の4名,生態・環境領域では中島敏幸(生態学),井上幹生(生態学),畑啓生(生態学),今田弓女(生態学)および岩田久人(環境毒性学)の5名が,それぞれの研究室を運営しております。令和2年度においては,卒業研究生46名,博士前期課程の大学院生22名,博士後期課程の大学院生5名が,各研究室に所属して研究に励んでおり,優れた研究成果をあげております。
 令和2年の春は,ご承知のとおり,新型コロナウイルス対応に始まりました。年度末・年度始めに予定されていた卒業式や入学式,各種行事等が全て次々に中止となり,4月からの授業は全て遠隔授業となりました。また,4月初めから大学構内における研究活動も禁止となり,学内における学生・院生の研究活動が条件付きで再開されたのは6月になってからです。卒業式や入学式でお祝いすることができなかった卒業生,入学生,また,現在も不自由な状況が続く学生のみなさんに関して,大変気の毒に感じております。予期しなかった状況に,大学や個々の教職員も様々な対応を迫られた年となり,それは現在でも続いております。このような状況下においても,工夫をこらし,在学生のみなさんができる限り充実した学生生活を送れるよう最善を尽くす所存です。卒業生の皆様からのご助言やご協力をいただけるとありがたく存じます。最後になりますが,卒業生皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。

(井上幹生 記)

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地球科学教室

 2019年末-2020年始にはじまったコロナ禍で日々刻々と情勢が変わる毎日ですが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。前号では、理学部<地球科学科>として報告を致しましたが、平成31年4月から理学部が改組され、現在は、理学部理学科<地学コース>と名称を変えております。
 学部においては、まだ2年ほど、地球科学科卒業生がおりますが、それ以降は地学コース卒業生となります。学部組織は変わりましたが、教員組織は、ほぼそのままで理工学研究科数理物質科学専攻地球進化学コース所属となっております。
 人事では、令和2年3月に森寛志先生が定年退職されました。令和2年4月から、鉱物学がご専門の白勢洋平先生が京都大学総合科学博物館から助教として赴任されました。記載鉱物学や博物学も得意とされ、愛媛大学ミュージアムとの連携活動にも積極的に関わって頂いております。かわって、平成29年4月に講師として赴任されたAlexandara Abrajevitch先生(古地磁気学)は、令和3年3月をもって退職され、ご出身のロシアへ帰国されます。令和元年10月には、楠橋直先生(古生物学)と齊藤哲先生(岩石学)が准教授に昇任されました。地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)では、多くの人事異動がありました。まずGRC創設にご尽力され、長きに渡ってその発展に携わってこられた入舩徹男先生が令和2年3月に退職されましたが、引き続き愛媛大学特別栄誉教授として大学に残られGRCセンター長の責務を担っておられます。GRCでは、令和2年4月からグレオ・スティーブ先生が助教として着任されました。さらに、令和3年2月に、新たにもう一人助教の先生が赴任される予定です。一方で、令和2年10 月より大藤弘明先生が東北大学へ転出されましたが、クロスアポイントメント制により引き続き学生教育に携わっておられます。また、令和3年2月には西真之先生が大阪大学へ転出されます。令和2年4月には、境毅先生、大内智博先生、西真之先生が、准教授に、また同年10月には、西原遊先生が教授に昇任されました。
 現在教室構成員は、学部専任教員7名、GRC所属教員11名、沿岸環境科学研究センター所属教員4名となっております。災害多発・世界的な感染症の拡大など、不安な世情ではございますが、未来を担う若者の大学教育は豊かな未来への架け橋と信じ、困難な中での教育・研究指導に日々努めております。昨年度には、就職戦線に乗り遅れがちな地球科学科生の為の「卒業生OG・OBによる就職支援相談室」を、皆様のご協力で試行開催することができました。ご協力いただいた卒業生の皆様に厚くお礼申し上げます。地球科学教室同窓生の皆様のご健康とご多幸を心より祈念しております。

  (堀 記)

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