生態学の勉強をしています

生態学の勉強をしています


昭和61年 理学部 生物学科卒業(生物15回)

内田保博

 生物学科の卒論では発生学講座で学び、1986年3月に卒業し、早23年が経ちました。私は現在、大分県の高校の教師をしています。もちろん理科(生物)の教師です。大分市に住んでいますので松山にも結構頻繁に足を運んでいます。昨年度、内地留学ということで現場を離れ1年間の学生生活(大分大学大学院教育学研究科)を謳歌し、心身ともにリフレッシュしました。そのとき、ネットで同期の服部君や橋本君と連絡が取れ、久しぶりに懐かしくメールを交わしました。

『同期のみなさん、同期会をしましょう。』

現在、小野山隆司君と画策していますが、7割くらいの同期の連絡先を把握しましたが、数人はよくわかりません。

 小野山と内田と同期の方で私たちから連絡の無かった方は、同窓会事務局の高田裕美先生(takasci.ehime-u.ac.jp)に連絡先を託してください。昨年度、生態学研究室の柳澤先生に調査法の教えを請い、発生学研究室の高田先生とも懐かしくメールをやりとりさせていただき、いろいろとアドバイスもいただきました。

 今年度は学校現場で普通に働きながら修士論文のための研究を平行して行ってきました。テーマは「大分県における大型ゲンゴロウ類Cybister属3種の個体群の発生消長と動態」でした。研究でわかったことを少し紹介します。

 研究の中心となったコガタノゲンゴロウは、環境省のRDBでは絶滅危惧 I 類(CR+EN)にランクされているが、大分県には相当数生息していることがわかりました。とは言え、分布は偏っていますが4000個体以上にマーキングを施して放逐できました。標識再捕の結果、生活空間の大きさについては、600m程度の移動は頻繁に起こることが確認されました。移動分散力について本研究中に最も遠くまで分散した個体は調査池間距離が11kmの間でした。

 もっともこの距離が一度の飛翔で行われたものであるのかは不明ですが。ただし、移動個体数も少ないことから、この距離を頻繁に移動しているとは考えにくいです。今回15年来探してきた大分県産のゲンゴロウの産地もやっと見つけました。捕獲できたのは僅か15匹ですが、次はタガメの産地を探したいと思っています。 ゲンゴロウ類の調査は今年も継続していくつもりです。マーキング個体の追跡により、いろいろなことが見えてきそうです。